結論から言えば、メルカリShopsは「すでに楽天やAmazonで売っている商品を、少ない手間でもう1か所に並べる販路」として向いています。初期費用・月額は無料で、売れたときに販売手数料10%がかかる仕組みです。楽天のような作り込みは要らず、商品を登録しておけば売れていきます。一方で、出店できるのは法人と個人事業主に限られ、商品数が増えると登録と在庫の管理が負担になります。
筆者はAmazon・楽天市場・メルカリShops・自社ECの4店舗を運営しています。メルカリShopsは4店舗のうち最後に始めた販路で、出店して3〜4か月です。この記事では、出店者の立場から見たメルカリShopsのメリット・デメリットと、費用、広告を使ってみた結果をまとめます。
メルカリShopsとは?メルカリとの違いは?
メルカリShopsは、法人や個人事業主がメルカリの中にネットショップを開けるサービスです。出品した商品は、フリマアプリ「メルカリ」の検索結果や商品一覧に、個人の出品と並んで表示されます。
個人が不用品を売るメルカリとの主な違いは次のとおりです。
- 出品者:メルカリは個人、メルカリShopsは法人・個人事業主(事業者)
- 扱う商品:メルカリは主に中古品、メルカリShopsは新品の継続販売が中心
- 売り方:メルカリは1点ごとの出品、メルカリShopsは在庫数を持たせて同じ商品を繰り返し売れる
買い手から見ると、メルカリのアプリの中で事業者の商品も同じように買える、という位置づけです。モールに出店するというより、すでに人が集まっている場所に棚を1つ借りる感覚に近いと考えると分かりやすいです。
出店にかかる費用はいくら?
メルカリの公式発表(2023年5月時点)では、費用は次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 無料 |
| 販売手数料 | 商品価格の10%(売れたときだけ) |
| 振込手数料 | 売上金の振込1回につき200円 |
固定費がかからないため、売れなければ費用はほぼ発生しません。楽天市場のように月額の出店料を先に払う必要がないので、販路を試しに増やすときの負担はかなり小さいです。手数料は変更されることがあるため、出店前にメルカリShopsの公式ガイドで最新の金額を確認してください。
モールごとの手数料を合計で比べた結果は、モールの手数料はいくら引かれるかにまとめています。
出店して感じたメリットは?
筆者が出店した理由は、単純に販路を増やすためです。すでにAmazonと楽天で売っている商品を、そのまま並べました。3〜4か月運営して感じたメリットは次の3つです。
1. 楽天のように複雑ではない
楽天市場は、商品ページの作り込み、イベントへの参加、クーポン設定など、売るためにやることが多いモールです。メルカリShopsは、商品を登録しておくことが仕事の大半で、ほかに特別なことはしていません。1商品あたりの登録作業もAmazonと同じく数分で終わります。作業時間の比較は商品登録にかかる時間の比較で書いています。
2. 出しておけば売れる
特別な販促をしなくても、出品している商品が売れていきます。売上は現在月3〜5万円ほどで、毎月少しずつ増えています。4店舗の中では補助的な販路ですが、手間に対する売上で見ると効率は悪くありません。
3. 固定費がないので撤退も簡単
月額がかからないため、売れなかった場合でも赤字が積み上がりにくい販路です。「とりあえず出してみる」が成り立つのは、ほかのモールにはない強みです。
デメリット・注意点は?
使ってみて、また出店前に確認しておくべきだと感じた点は次のとおりです。
- 個人(事業者でない人)は出店できない:出店できるのは法人と個人事業主です。副業で始める場合も、開業届を出して個人事業主として申し込む必要があります。
- 許認可が必要な商品がある:中古品(古物)、食品、酒類、化粧品などは、許認可証の提出が求められます。扱う商品が該当しないか、先に確認してください。
- 販売手数料10%は利益から引かれる:固定費はなくても、売れるたびに10%がかかります。ほかのモールと同じ価格で出す場合は、送料と合わせて利益が残るか計算しておく必要があります。
- 商品数が増えると登録と在庫管理が負担になる:筆者は最初の登録を在庫管理システム(GoQシステム)からまとめて行い、今は追加の商品を手作業で登録しています。数商品なら手作業で十分ですが、店舗が増えるほど「どこで売れたら、どこの在庫を減らすか」の管理が重くなります。
多店舗で在庫をそろえる仕組みはGoQシステムで在庫を連携する方法で解説しています。
メルカリShopsの広告は使うべき?
メルカリShopsの出店者は、メルカリの広告サービス「メルカリAds」で、自分の商品をメルカリの検索結果などに表示されやすくできます。筆者は1日500円の予算で、商品ごとにキャンペーンを分けて少しだけ出しています。2026年10月1日〜13日の結果は次のとおりです。
| 項目 | 主力商品 | 別の商品 |
|---|---|---|
| 表示回数 | 185,155回 | 34,879回 |
| クリック数 | 377回 | 59回 |
| クリック単価 | 10円 | 20円 |
| 購入(コンバージョン) | 14件 | 0件 |
| 広告費 | 3,770円 | 1,180円 |
| 広告経由の売上 | 29,410円 | 0円 |
主力商品は、広告費3,770円に対して売上29,410円で、広告費の約7.8倍の売上になっています。一方、別の商品は表示もクリックもあるのに、この期間は1件も売れていません。同じ広告でも、売れる商品と売れない商品がはっきり分かれるということです。
筆者は全店舗で「広告費は売上の5〜6%以内」を上限にしています。メルカリShopsでも、まず少額で出して、売れない商品の広告は止める、売れる商品だけ残す、という運用にしています。Amazonと楽天の広告の考え方はAmazonスポンサープロダクト広告の運用と楽天RPP広告の運用で書いています。
多店舗の中でメルカリShopsはどう位置づける?
筆者の4店舗では、Amazonが売上の中心、楽天市場がAmazonとは違うお客さんを取る販路、メルカリShopsは補助という位置づけです。メルカリShopsだけで大きく売上を作るというより、すでにある商品と在庫を、追加の手間をほとんどかけずに別の客層に見せる場所として使うのが合っていると感じています。
これから販路を増やすなら、次の順で考えると無理がありません。
- まず1つのモールで売れる商品を作る
- 売れている商品を、固定費のかからないメルカリShopsにも並べる
- 店舗が増えて在庫のずれが出始めたら、在庫連携の仕組みを入れる
4店舗の役割分担の考え方は多店舗の役割分担で詳しく書いています。
よくある質問
Q. 個人でもメルカリShopsに出店できますか?
A. 事業者でない個人は出店できません。出店できるのは法人と個人事業主です。副業でも、開業届を出して個人事業主になれば申し込めます。
Q. 楽天やAmazonと同じ商品を出してもいいですか?
A. 問題ありません。筆者も同じ商品を並べています。ただし、同じ在庫を複数の店舗で売ることになるため、どこかで売れたら他の店舗の在庫も減らす仕組み(手作業か在庫連携システム)を決めておかないと、在庫切れの商品が売れてしまう事故が起きます。
Q. 出店してから売れるまでどのくらいかかりますか?
A. 筆者の場合、特別な販促をせずに出品した商品が売れ始め、3〜4か月で月3〜5万円になりました。ただし商品やジャンルによって大きく変わります。すでに他のモールで売れている商品から出すと、反応を確かめやすいです。
Q. 広告は出したほうがいいですか?
A. 必須ではありませんが、少額から試す価値はあります。筆者は1日500円で出しており、売れる商品では広告費の数倍の売上が出ています。売れない商品の広告はすぐ止められるので、まず少額で試し、結果を見て残す商品を決めるのがおすすめです。
まとめ:手間をかけずに販路を1つ増やす場所
- メルカリShopsは、法人・個人事業主がメルカリの中に店を開けるサービス
- 初期費用・月額は無料で、売れたときに販売手数料10%、振込1回200円がかかる
- 楽天のような作り込みは不要で、商品を登録しておけば売れていく
- 許認可が必要な商品と、商品数が増えたときの在庫管理には注意する
- 広告は少額で試し、売れる商品だけに絞る
すでにどこかのモールで売れている商品があるなら、メルカリShopsは「試しにもう1か所」に向いた販路です。どこで売るかをこれから決める段階の方は、ネットショップはどこで始めるべきかも参考にしてください。

