ネットショップはどこから始めるべきか|4店舗運営者が勧める出店の順番

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これからネットショップを始めるとき、最初に決めるべきなのは「どこで売るか」です。

Amazon、楽天市場、メルカリShops、自社EC。それぞれ性質が違い、必要な準備も投じるコストも変わります。

4店舗を運営してきた立場から、どの順番で始めるべきか、そして最初に決めておくべきことを書きます。すでに販売を始めている方にとっても、次の販路を考える際の参考になるはずです。

結論:Amazonから始めるのが最も現実的

先に結論から書きます。物販でネットショップを始めるなら、Amazonからが最も立ち上がりが速いと考えています。

理由は3つあります。

理由1:商品登録が数分で終わる

Amazonは商品カタログが統一されているため、既存カタログへの相乗りで出品できます。

手順としては、セラーセントラルで商品を検索し、該当カタログを選び、販売価格と数量を入力するだけ。1商品あたり2〜3分で登録が完了します。

商品画像も商品説明も、既にカタログにあるものが使われます。自分で用意する必要がありません。

これは他のモールにない大きな利点です。楽天の場合、同じ作業に撮影と商品ページ制作が必要になります。

理由2:初期の準備期間が短い

楽天は出店申込から販売開始まで、弊社の場合2ヶ月かかりました。出店審査に加えて、ストアページの審査があるためです。

Amazonは出品用アカウントを作れば販売を開始できます。準備期間の差は明確です。

理由3:小さく始められる

Amazonには小口出品と大口出品があります。弊社は小口でアカウントを作り、流れで大口に移行しました。

最初から固定費の大きいプランを選ぶ必要はありません。売上が立ってから移行すればよい構造になっています。

ただしAmazonにも弱点はある

公平を期すために、Amazonの弱点も書いておきます。

価格競争に巻き込まれる

カタログに相乗りできるということは、他の出品者も同じカタログに相乗りできるということです。

同一商品を複数の出品者が売るため、価格が下がっていきます。弊社は採算ラインを決めて、そこを割ったら追随せず降りる方針を取っています。

アカウントリスクがある

Amazonにはパフォーマンス指標があり、キャンセルが重なると警告、さらに進むと出品停止に至ります。

弊社は10年以上前、この経験をしました。復旧まで1〜2週間かかっています。詳細はAmazonで出品停止を経験した話|復旧までの1〜2週間と、在庫管理にこだわる理由に書いています。

1つのチャネルに依存する怖さは、ここにあります。だからこそ販路を増やす意味があるのですが、それは売上が立ってからの話です。

2店舗目:楽天市場

Amazonである程度の売上が立ったら、次は楽天市場が候補になります。

楽天はポイント経済圏で買い物をする層に届くため、Amazonでは取れない売上があります。

ただし工数はまったく違う

前述のとおり、楽天には相乗りの概念がありません。同じ商品を売る店が他に何十軒あっても、自分の店のページは自分で作ります。

弊社では、商品撮影をカメラマンに依頼し、そのデータをもとにLP制作を外注しています。登録作業の前に、外部への依頼が2工程入る構造です。

この差を知らずに「Amazonと同じ数を並べよう」と計画すると、確実に破綻します。楽天は商品を絞る前提で始めてください。

プランは最小構成から

弊社は開店当初から現在まで、がんばれ!プランを継続しています。主力がAmazonであるため、上位プランの固定費を払うメリットが現時点でないためです。

新しい販路に過剰投資しないこと。実績を見てから判断することをおすすめします。

3店舗目:メルカリShops

メルカリShopsは、既に楽天のページがあれば低コストで追加できます。

弊社はGoQSystemを使っているため、楽天市場の商品情報を取り込んでメルカリShopsの商品を生成できます。新規で作り込む手間がかかりません。

売上規模はまだ小さいですが、維持コストが低いため続けているという位置づけです。

自社ECは最後

自社EC(弊社はEC-CUBE)については、正直なところ売上はほとんどありません。

手数料が不要という利点はありますが、集客をすべて自前でやる必要があります。SEO、広告、SNS。モールが持っている「そこに行けば商品がある」という状態を、ゼロから作らなければなりません。

「モールは手数料が高いから自社ECを」という主張をよく見かけますが、弊社の実感としては、集客コストが手数料を上回る可能性が高いと考えています。

モールで売上が立つ前に注力する対象ではありません。

カートサービスを検討する段階になったら

モールで売上が立ち、顧客との接点ができた段階で、初めてカートサービスが選択肢に入ります。弊社は使っていないため使用感は語れませんが、4店舗を運営してきた立場から選び方の観点だけ書いておきます。

判断軸は「固定費」と「将来の拡張性」のバランスです。初期費用・月額費用が無料のサービスは始めやすい反面、決済手数料が高めに設定されていることが多い。逆に月額固定型は売上が立たないと固定費が重くなります。まず無料で試し、売上規模に応じて移行する順番が現実的です。

いずれも、モールで売上の目処が立ってから検討する順番を守ってください。

始める前に決めておくべき2つのこと

ここからが最も重要です。商品登録を始める前に決めておくべきことがあります。後回しにすると、必ず苦労します。

1. SKUの命名規則

これが最大のポイントです。

複数モールで販売する場合、同じ商品を各モールで登録することになります。このとき何も考えずに進めると、モールごとに違う管理番号が振られます。

すると、後から一元管理ツールを導入するときに紐付けができません。ツール側は「これとこれは同じ商品だ」と自動判断できないためです。

最初にSKUの命名規則を決め、全モールで統一してください。基準は一番商品数が多くなる店舗(多くの場合Amazon)に合わせるのが有利です。

弊社はこれを怠り、後から修正することになりました。一元管理ツールを乗り換えた際、楽天側の紐付けをやり直す作業が発生しています。5分の意思決定を怠ったために、数ヶ月の作業が発生した形です。

2. 在庫管理の方針

2店舗目を検討する段階になったら、在庫の一元管理ツールを同時に検討してください。

複数モールで販売すると、在庫が同期しません。楽天で最後の1個が売れても、Amazonの在庫数は減らない。両方から注文が入れば、片方はキャンセルするしかありません。

そしてキャンセルは、Amazonのアカウント健全性に直結します。

「余裕ができたら入れよう」ではなく、2店舗目を決めた時点で並行して検討すべきものです。

まとめ:始め方の順序

これからネットショップを始める方への、実務的な提案です。

  1. Amazonから始める。登録工数が最も軽く、立ち上がりが速い
  2. 小口出品で始める。売上が立ってから大口に移行すればよい
  3. SKUの命名規則を最初に決める。これが後の全てを左右します
  4. 売上が立ったら楽天を検討。ただし準備期間2ヶ月、商品は絞る前提で
  5. 2店舗目と同時に在庫管理を整える。キャンセルはアカウントリスクに直結します
  6. メルカリShopsは低コストで追加できる。楽天のページがあれば流用可能
  7. 自社ECは最後。集客の目処が立ってから

販路を増やすこと自体が目的になると、どれも中途半端になります。主力を1つ作り、そこから低コストで広げていく。この順番が現実的だと考えています。

各店舗の位置づけについては4店舗をどう使い分けるか|主力と補助の役割分担と力の配分、多店舗展開で最初に直面する問題については多店舗EC運営で最初に詰まる3つのポイント|4店舗運営者の実体験で書いています。

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