結論から言えば、楽天RPP広告は「主力商品だけ」から始めるのが正解です。全商品に一斉にかけると、売れない商品のクリック費用が積み上がって赤字になります。まず売れる実績のある商品で効果を確かめ、数字を見ながら広げていく。これが小規模店舗の現実的な使い方です。
筆者は楽天市場に出店しており、Amazon・メルカリShops・自社ECと合わせて4店舗を運営しています。この記事では、RPP広告の基本と、実際に運用して分かったことを書きます。
楽天RPP広告とは?
RPP広告は、楽天市場の検索結果に商品を表示させる検索連動型の広告です。正式名称は「楽天プロモーションプラットフォーム」で、楽天の店舗運営システム(RMS)から設定します。
主な特徴は次のとおりです。
- クリック課金:広告が表示されただけでは費用がかからず、クリックされたときに費用が発生する
- 検索結果の上位に表示:ユーザーが検索したキーワードに関連する商品が、検索結果の上部に「PR」として表示される
- 月の予算上限を設定できる:上限に達すると配信が止まるため、使いすぎを防げる
- 商品ごと・キーワードごとに入札単価を設定できる
クリック単価の下限や予算の最低額などの細かい仕様は変更されることがあるため、設定前にRMSの画面で最新の条件を確認してください。
なぜ楽天ではRPP広告が必要なのか?
出店したばかりの店舗は、検索結果の上位に表示されないため、そもそも商品が見られません。
楽天の検索順位は、売上実績やレビューなどが積み上がることで上がっていきます。しかし売上がないと順位が上がらず、順位が低いと売れない、という循環に陥ります。この循環を断ち切るために、広告で露出を買い、最初の売上とレビューを作るのがRPP広告の役割です。
楽天出店全体の費用構造については楽天出店は儲からない?手数料の実態と分かれ目で解説しています。
予算はいくらから始めればいい?
筆者の場合、最初は月3万円ほどで始め、管理画面の数字を目視で確認しながら判断していました。
金額に正解はありませんが、考え方として大切なのは次の2点です。
- 「効果を判断できるだけのクリック数」が集まる金額にする:予算が少なすぎると、数日で上限に達してデータが溜まらず、効いているのか判断できない
- 店舗全体の売上に対する広告費の比率で上限を決める:金額ではなく「売上の何%までなら広告に使えるか」を先に決めておく
現在は、販売データをAIに分析させて予算判断の材料にしています。ただ、始めたばかりの段階では、一定額で1ヶ月回してみて、管理画面の数字(クリック数・売上・費用)を自分の目で確かめるのが一番の勉強になります。
広告費を売上比率で管理する考え方はネットショップ開業で失敗しやすいポイントでも触れています。
RPPが効く商品と効かない商品の違いは?
運用して分かったのは、効果が出るのは主力商品で、それ以外は赤字になりやすいということです。
筆者の店舗でも、主力商品にはRPPがしっかり効きました。一方で、その他の商品は広告費に対して売上が伴わず、赤字になったものがあります。赤字の商品はRPPの対象から外す(停止する)処理をしています。
主力商品に効きやすい理由は、次のように考えています。
- すでに売れている実績がある:商品ページやレビューが揃っているため、クリックされた後に購入まで進みやすい
- 検索されるキーワードが明確:需要のある検索語と商品が一致している
逆に、売れた実績のない商品は、広告でクリックを集めても商品ページで離脱されがちです。広告は「売れる商品をもっと売る」ためのもので、「売れない商品を売れるようにする」ものではないと考えた方が失敗しません。
自動最適化と手動入札、どちらを選ぶ?
RPPには、楽天側が入札を調整する自動の仕組みと、キーワードや商品ごとに自分で入札単価を決める手動の運用があります。
筆者は現在手動で運用しています。手動は細かく調整できる反面、キーワードごとの数字を確認して入札を見直す手間がかかります。管理する商品やキーワードが増えるほど、この手間は重くなります。
そのため、今後は自動の仕組みも取り入れていきたいと考えています。判断の目安としては次のとおりです。
- 手動が向く:商品数が少なく、どのキーワードで売れているかを自分で把握したい段階
- 自動が向く:商品数・キーワード数が増え、手動での調整が追いつかなくなった段階
始めたばかりなら、まず手動で主力商品を運用し、どのキーワードで売れるのかを自分の目で理解してから自動を検討する順番をおすすめします。仕組みを理解しないまま自動に任せると、結果が悪かったときに原因が分かりません。
よくある質問
Q. 出店したばかりでもRPPを使うべきですか?
A. 使うべきです。ただし全商品ではなく主力商品だけに絞ってください。出店直後は検索順位が低く、広告なしでは商品がほとんど見られません。最初の売上とレビューを作るために、主力商品に限定して露出を買うのが効率的です。
Q. 赤字になった商品はどうすればいいですか?
A. RPPの対象から外してください。1ヶ月程度運用して、広告費に対して売上が伴わない商品は停止するのが基本です。「もう少し続ければ売れるかも」と引き延ばすほど、赤字は膨らみます。停止した商品は、商品ページやレビューが改善してから再開を検討すれば十分です。
Q. RPPとセール・イベントはどう組み合わせればいいですか?
A. 楽天はお買い物マラソンなどのイベント期間中に購買意欲が大きく上がります。イベント期間は通常時よりクリックが購入につながりやすいため、主力商品の広告はこの期間に効果が出やすくなります。一方で、クリック数も増えて予算の消化が早まるため、上限額の設定は必ず確認しておきましょう。
まとめ:主力商品で始めて、数字で広げる
- RPP広告は楽天の検索結果に表示されるクリック課金型の広告
- 出店初期は検索順位が低いため、広告で露出を作ることが売上の起点になる
- 予算は一定額で1ヶ月回し、管理画面の数字を自分の目で確認する。上限は売上比率で決める
- 効くのは実績のある主力商品。赤字の商品は停止する
- 手動で仕組みを理解してから、商品数が増えた段階で自動化を検討する
楽天出店の手順そのものは楽天市場に出店するまでの流れで解説しています。RPPは「かければ売れる」広告ではありませんが、主力商品に絞って使えば、楽天で売上を作る強力な手段になります。
