EC発送をアルバイトに任せる|役割分担と「任せない仕事」の線引き

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EC事業がある程度の規模になると、梱包・発送を自分だけで回すのが難しくなります。かといって正社員を雇うほどの量ではない。この段階で多くの事業者が検討するのがアルバイトの活用です。

Amazon・楽天市場・メルカリShops・自社ECの4店舗を運営している立場から、実際にどうアルバイトを運用しているかを書きます。曜日の決め方、役割分担、そして「任せない仕事」の線引きが中心です。

体制:2名で役割を完全に分ける

弊社では2名のアルバイトに入ってもらっています。稼働は週4〜5日です。

ポイントは、2名の役割を明確に分けていることです。

担当 作業内容
梱包担当 ピッキング・梱包・ラベル貼り
ドライバー担当 日本郵便への荷物持ち込み

兼務ではなく、それぞれ専任です。作業内容がまったく違うため、分けたほうが効率がよくなります。

なぜ「持ち込み」専任を置くのか

ここが弊社の運用で最も特徴的な部分かもしれません。

発送方法には「集荷に来てもらう」と「自分で持ち込む」の2通りがあります。手間だけを考えれば集荷のほうが楽です。それでも持ち込みを選んでいるのは、明確な理由があります。

日本郵便は、持ち込みと集荷で配送料の契約が変わります。

持ち込みのほうが安くなるため、その差額が積み上がると無視できない金額になります。1件あたりの差は小さくても、発送件数を掛ければ月単位・年単位で大きな差が出ます。

つまり、ドライバー担当の人件費を払ってでも、持ち込みにしたほうがトータルで得になる。この計算が成り立つ規模になったため、専任を置いています。

判断の考え方

この判断は発送件数に依存します。件数が少ないうちは、集荷にして手間を省いたほうが合理的です。

目安としては、「配送料の差額×月間発送件数」が「持ち込みにかかる人件費」を上回るかを計算してみてください。上回るなら持ち込み体制を検討する価値があります。

なお、契約条件は運送会社や地域、取引量によって変わります。自社の条件は必ず担当営業に確認してください。

曜日の決め方

稼働日は状況に応じて調整していますが、月曜と木曜は固定にしています。

月曜が固定な理由

土日に注文が溜まるためです。

ECは24時間注文が入ります。土日に受けた注文は月曜にまとめて処理することになるため、週の頭は必ず作業量が多くなります。ここに人がいない状態を作ると、月曜の出荷が遅れ、翌日以降にも影響します。

祝日がある場合は、祝日明けが該当日になります。連休明けは特に注文が溜まるため、ここを外すわけにはいきません。

木曜が固定な理由

月曜と木曜には、梱包以外にダンボールをまとめる作業が発生します。

資材整理は地味な作業ですが、放置すると作業スペースが圧迫され、梱包効率そのものが落ちます。回収のタイミングに合わせて固定日を設けています。

残りの日はシフト調整

月・木以外の稼働は、アルバイトのスケジュールに合わせて調整しています。

全部を固定にすると、相手の予定と合わなくなったときに体制が崩れます。絶対に外せない日だけ固定し、残りは柔軟にという設計にしておくと、長く続けてもらいやすくなります。

教育方法:一緒に作業して覚えてもらう

採用時の教育は、シンプルに自分が一緒に作業して覚えてもらう方式です。

マニュアルを作り込んで渡す方法もありますが、弊社ではやっていません。理由は、梱包作業は実際に手を動かさないと分からない部分が多いためです。

商品の持ち方、緩衝材の入れ方、テープの貼り方。文章にすると長くなるものが、隣で一度見せれば伝わります。

渡す書類は2点だけ

日々の作業で渡すのはピッキング票とラベルの2点です。それ以外は何も渡していません。

この2点があれば、何を何個取って、どこに送るかがすべて分かります。口頭で注文内容を説明する必要がなく、その日の作業がそのまま始められます。

書類を増やさないことも重要だと考えています。渡すものが増えるほど、確認の手間と見落としのリスクが増えます。

ミスは起きる:誤発送への対応

正直に書くと、誤発送は発生しています。

対応の流れは、返送してもらってから正しい商品を再度発送する、というものです。特別な仕組みはありません。

ここで重要なのは、ミスをゼロにしようとしすぎないことだと考えています。人が作業する以上、一定の確率でミスは起きます。チェック工程を増やせば減りますが、その分だけ全体の作業速度が落ちます。

発生率と、対応にかかるコスト。この2つのバランスで判断すべきものです。頻発するようなら仕組みを見直しますが、たまに起きる程度なら、起きたときに丁寧に対応するほうが総コストは低くなります。

任せない仕事:仕入の判断

作業を人に任せるうえで、最も重要なのは何を任せないかを決めることです。

弊社がアルバイトに任せていないのは、仕入の判断です。

なぜ任せられないのか

仕入の判断には、いくつもの要素が絡みます。

  • 過去の販売実績
  • 季節性・トレンド
  • 仕入価格の変動
  • 在庫を持つリスクと機会損失のバランス
  • 各モールでの売れ方の違い

これらを踏まえた判断は、すぐに覚えられるものではありません。数ヶ月から数年かけて感覚が身についていく領域です。

梱包作業は数回で覚えられます。仕入判断はそうはいきません。この差が、任せる・任せないの線引きになっています。

線引きの考え方

一般化すると、以下の基準で分けています。

種類 特徴 担当
手順が決まっている作業 覚えれば誰でもできる アルバイト
判断が必要な作業 経験の蓄積が必要 自分

手順化できるものは全部渡す。手順化できないものは手放さない。この切り分けができていないと、任せたつもりが結局は自分で確認し直すことになり、二度手間になります。

まとめ:人を入れるときに考えること

アルバイトを入れる際に押さえているポイントを整理します。

  • 役割は分ける。兼務させるより専任にしたほうが効率が上がります
  • 固定日は「外せない日」だけにする。全部固定にすると相手の都合と合わなくなります
  • 作業が溜まる日を把握する。弊社の場合は月曜と祝日明けです
  • 渡す書類は最小限に。増やすほど確認の手間と見落としが増えます
  • コストで判断する。持ち込みと集荷の配送料差のように、人件費を払ってでも得になるケースがあります
  • 判断業務は手放さない。手順化できない仕事は自分が持ち続けます

人を入れることは、作業を減らすためだけの手段ではありません。自分が判断業務に集中するための時間を作ることが本来の目的だと考えています。

外注という選択肢との比較

弊社は自社発送を選んでいますが、発送代行を検討したうえでの判断です。どの規模なら外注が合理的かについては発送を外注すべきか、自社でやるべきか|代行を検討して自社を選んだ理由と判断基準で詳しく書いています。

実際に比較する場合、物流倉庫・発送代行の見積もりは一括.jp(物流倉庫の一括見積もりサービス)で無料でまとめて取れます。

受注処理そのものの流れについては4店舗分の受注処理をどう回すか|GoQのステータス自動振り分けと人が見る部分で書いています。

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