多店舗運営で毎日発生する作業が受注処理です。ここを効率化できるかどうかで、1日に使える時間がまったく変わります。
Amazon・楽天市場・メルカリShops・自社ECの4店舗を運営している立場から、実際にどう受注処理を回しているかを書きます。GoQSystemを使った自動化の設定と、それでも人が見ている部分の切り分けが中心です。
基本方針:仕分けは自動、判断は人
受注処理を分解すると、大きく2種類の作業に分かれます。
- ルールで決まる作業(荷物サイズによる仕分けなど)
- 判断が必要な作業(住所の不備確認など)
前者はすべて自動化し、後者だけを人が見る。これが基本方針です。全部を人が処理しようとすると時間が足りず、全部を自動化しようとすると事故が起きます。
GoQのステータス設計
GoQSystemでは、注文の状態を表す「ステータス」を自分で作成できます。そして、条件に応じて自動的に次のステータスへ移動させる設定が可能です。
弊社は日本郵便で発送しているため、荷物サイズごとにステータスを分けています。
通常の注文(日本郵便)
フローはシンプルです。
新規受付 → 発送待ち → 各サイズのステータスへ自動移動
注文が入ると「新規受付」に入り、条件を満たすと「発送待ち」へ。そこから商品サイズに応じて、それぞれのサイズ別ステータスに自動で振り分けられます。
この振り分けが自動化されているため、「この注文はどの発送方法か」を人が判断する必要がありません。
Amazon EASY SHIPの注文
Amazonの配送サービス「EASY SHIP」を使う注文は、間に1段階入ります。
新規受付 → 発送待ち → EASY SHIP → 各サイズのステータスへ自動移動
EASY SHIP用のステータスを経由させることで、通常注文と混ざらないようにしています。発送方法が異なるため、作業を分けたほうが間違いが起きません。
ステータス設計のポイント
ステータスを作るときの考え方は「作業単位で分ける」です。
注文の進行状況を細かく記録することが目的ではありません。梱包する人が「このステータスの注文をまとめて処理すればいい」と分かる粒度にすることが目的です。
サイズ別に分けているのも、同じサイズの梱包資材でまとめて作業したほうが速いからです。
人が目視する部分:住所の不備
自動化していない、というより自動化できない部分が住所チェックです。
GoQの住所エラー一覧
GoQには「住所エラー一覧」というページがあります。問題のある注文があると、エラー件数が数字で表示されます。
ここが優秀なのは、AIが自動で判定し、修正案まで出してくれる点です。人がやるのは、提示された修正後の住所を見て、問題なければクリックするだけ。それで住所修正が完了します。
最も多いエラー:英字住所
実際に発生するエラーで最も多いのが、英字で入力された住所を日本語に変換するケースです。
海外からの注文や、入力環境の都合で英字表記になっている注文があります。そのままでは日本郵便のラベルとして適切でないため、日本語表記に直す必要があります。
この変換をAIが自動で行い、人は確認してクリックするだけ。ワンクリックで完了するので、実作業としてはすぐ終わります。
なぜここだけ人が見るのか
住所の修正は、間違えると商品が届きません。届かなければ再送のコストが発生し、顧客からの評価も下がります。
AIの判定精度は高いのですが、最終確認を人が入れることでリスクをゼロに近づけています。1件あたり数秒で済む作業なので、省略するメリットがありません。
弊社では「自動化しない部分」を意図的に残しています。判断コストが低く、事故のコストが高い工程は、人が見たほうが合理的です。
1日の流れ
実際の作業手順は以下のとおりです。
- GoQで注文を確認(各モールから自動で取り込まれている)
- 住所エラー一覧をチェック。エラーがあればその場で修正
- ステータスごとに自動振り分けされた注文を確認
- GoQからラベルとピッキング票を発行
- 発送作業
1〜4までが管理側の作業で、5が現場作業です。
アルバイトへの引き継ぎ方法
弊社では梱包作業をアルバイトが担当しています。週3回の稼働です。
引き継ぎで渡すのは「ピッキング票」と「ラベル」の2点セットです。
| 書類 | 用途 |
|---|---|
| ピッキング票 | どの商品を何個取るかの指示 |
| ラベル | 宛先を印字した配送ラベル |
作業の流れは、ピッキング票を見て商品を取り、梱包してラベルを貼る。それだけです。
口頭の指示を減らす
この方式の利点は、作業者への口頭説明がほぼ不要になることです。
ピッキング票に必要な情報が印字されているため、その日の注文内容を毎回説明する必要がありません。作業者が変わっても、票を見れば作業できます。
受注処理の自動化というと在庫や配送の話になりがちですが、「人に渡す情報を紙に落とし込む」ことも自動化の一部だと考えています。説明のたびに発生していた時間が消えます。
まとめ:受注処理を回すための考え方
4店舗分の受注処理を回すうえで、押さえているポイントを整理します。
- ルールで決まる仕分けは全部自動化する。サイズ別・発送方法別のステータス自動移動がこれにあたります
- ステータスは作業単位で設計する。進行管理ではなく、まとめて処理できる粒度で分けます
- 事故のコストが高い工程は人が見る。住所チェックは数秒で終わるので、省略する理由がありません
- 現場に渡す情報は紙に落とす。ピッキング票があれば口頭説明が不要になります
受注処理は毎日発生する作業なので、1件あたり数十秒の削減でも積み上がると大きな差になります。逆に言えば、非効率な部分を放置すると、その分だけ毎日時間を失い続けることになります。
在庫の一元管理については在庫の一元管理はこう回す|GoQで3モールを運用する実務と失敗談で詳しく書いています。

