メーカーとの取引はどう始めたか|問い合わせから契約、その後に判明した盲点

ネットショップで継続的に売上を立てるには、安定した仕入先が必要です。ただ、「メーカーとどう取引を始めるのか」は、始める前には見当がつきにくい領域です。

Amazon・楽天市場・メルカリShops・自社ECの4店舗を運営している立場から、メーカーとの取引をどう始めたか、そして取引後に何が必要になったかを書きます。

先に断っておくと、特別なコネや裏技はありません。むしろ「普通にやれば普通に始まる」という話です。

取引開始の経緯:ホームページから問い合わせた

弊社の主力商材のメーカーとの取引は、メーカーの公式サイトから問い合わせを送るところから始まりました。

展示会に行ったわけでも、誰かの紹介があったわけでもありません。問い合わせフォームに「小売として取り扱いたい」旨を送っただけです。

返事までは時間がかかった

すぐに返事が来たわけではありません。しばらく経ってから電話があり、そこから契約の話に進みました。

この「時間がかかる」というのは、覚えておいてよい点です。問い合わせを送って数日返事がないと「断られた」と思いがちですが、メーカー側も新規取引先の対応は後回しになりやすい。待つこと自体が必要な工程だと考えておくと、気持ちが楽になります。

求められた条件は特になかった

取引開始にあたって、実績や保証金、最低ロットといった条件を求められることはありませんでした。

メーカーによっては条件があるはずですが、少なくとも弊社のケースでは「小売として販売したい」という意思と、連絡が取れる事業者であることで足りました。

これから問い合わせる方は、条件を心配して二の足を踏むより、まず送ってみることをおすすめします。求められたらそのとき考えればよい話です。

取引後に判明したこと:販促素材はもらえない

ここからが、始める前には分かりにくかった点です。

メーカーと直接取引を始めれば、商品画像や説明文といった販促素材を提供してもらえる。そう思っていた方もいるかもしれません。

実際には、提供されませんでした。

Amazonは既存カタログに相乗りできるため画像は不要ですが、楽天市場は自分でページを作る必要があります。そのための商品画像は、自分で撮影し、外注先に加工を依頼して用意しています。

これが仕入れコストに乗る

撮影費、加工費、そしてそれを手配する時間。これらは仕入れ価格には含まれませんが、商品を売れる状態にするまでの実質的なコストです。

仕入先を選ぶとき、卸価格だけを見て判断すると、この部分が抜け落ちます。「画像は提供されるのか」「提供されないなら自分で用意するコストはいくらか」を、取引開始前に確認しておくべきでした。

メーカーによっては素材を提供してくれるところもあるはずです。同じ商品を扱うなら、素材提供の有無は取引先を選ぶ判断材料になります。

発注判断:目視からAIへ移行中

取引が始まった後の実務として、発注の頻度とタイミングをどう決めるかがあります。

以前は、在庫と売れ行きを目視で確認して発注量を決めていました。現在は、AIが毎日自動で生成する発注メールをもとに判断しています。

ただし実証実験段階

正直に書くと、まだ実証実験の段階です。AIの提案どおりに発注して、実際に適正だったかを検証している最中です。

目視と比べて、精度はAIのほうが高いだろうと感じています。人間の目視は「なんとなく減ってきた」という感覚に頼りがちで、複数モールの売れ行きを正確に足し合わせるのが難しいからです。

とはいえ、AIの判断を鵜呑みにして発注するところまでは進めていません。最終的な発注の確定は人が行う運用にしています。この検証がある程度進んだら、改めて書くつもりです。

断られても次へ:ただし弊社の現状

これから仕入先を探す方に一番伝えたいのは、問い合わせて返事がなくても、めげずに次のメーカーへアプローチすることです。

1社に断られたからといって、全社に断られるわけではありません。同じジャンルには複数のメーカーがあり、それぞれ新規取引への姿勢は違います。

正直に書くと、弊社は止まっている

偉そうに書きましたが、弊社自身は現在、新規メーカーへのアプローチが止まっています。

既存の取引先で回っているため、新規開拓の優先度が下がっているのが実態です。これは「回っているうちに次を仕込む」という原則から外れており、反省点として認識しています。

取引先が1社に偏ることのリスクは、仕入れ条件の変更や供給停止が起きたときに顕在化します。読者の方には、弊社を反面教師にしていただければと思います。

まとめ:仕入先との取引で押さえること

メーカーとの取引開始について整理します。

  • まず公式サイトから問い合わせる。特別なルートは不要です
  • 返事は待つ。時間がかかるのは普通です
  • 条件を心配しすぎない。求められたらそのとき考えればよい
  • 販促素材の有無を確認する。もらえない場合、撮影・加工のコストが仕入れに乗ります
  • 発注判断は仕組み化する。目視は限界があります。弊社はAI活用を検証中です
  • 断られても次へ。そして回っているうちに次の取引先を仕込む

仕入先との関係は、一度できれば長く続きます。始めるハードルは思ったより低く、始めた後の実務のほうが考えることが多い。そういう領域だと考えています。

楽天の商品画像をどう用意しているかについては商品登録はAmazon2分・楽天は撮影から|3モールの工数差と実際の手順、仕入れで失敗した話についてはEC運営で避けられないロスとの付き合い方|防げるものと防げないものの見極めで書いています。

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