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結論から言えば、FBAは「手数料を払って発送の手間をなくす」仕組みで、自己発送は「人件費をかけて手数料を払わない」仕組みです。どちらが得かは、商品の大きさと売れる数、そして発送を担当する人を確保できるかで決まります。筆者は以前は多くの商品をFBAに入れていましたが、今はほぼすべて自己発送に切り替え、FBAは1商品だけ併用しています。
筆者はAmazonで10年以上販売を続けており、現在はAmazon・楽天市場・メルカリShops・自社ECの4店舗を運営しています。この記事では、FBAと自己発送をどちらも使ってきた立場から、それぞれの良い点・悪い点と、自己発送に切り替えた理由をまとめます。
FBAと自己発送の違いは?
FBA(フルフィルメント by Amazon)は、商品をAmazonの倉庫に預けておき、注文が入るとAmazonが梱包・発送・返品対応まで行うサービスです。自己発送は、注文が入るたびに出品者が自分で梱包して発送する方法です。
| 項目 | FBA | 自己発送 |
|---|---|---|
| 発送作業 | Amazonが行う | 自分(またはスタッフ)が行う |
| 主な費用 | 配送代行手数料・在庫保管手数料 | 送料・梱包資材・人件費 |
| 在庫の置き場所 | Amazonの倉庫 | 自社(自宅・倉庫) |
| ほかのモールとの在庫共有 | しにくい | しやすい |
FBAの手数料は、商品のサイズと重量で決まる配送代行手数料と、倉庫に置いている量と期間で決まる在庫保管手数料が中心です。在庫保管手数料は10〜12月の繁忙期に高く設定されています。金額は改定されることがあるため、Amazon公式のFBA料金シミュレーターで自分の商品を入れて確認してください。
FBAの良い点・悪い点は?
FBAを使って一番良かったのは、何もしなくても発送されることです。注文が夜中に入っても、休みの日に入っても、Amazonが出荷してくれます。発送の作業時間がゼロになるのは、一人で運営している時期には大きな助けになります。
一方で、悪い点ははっきりしています。手数料がかかることです。売れるたびに配送代行手数料が引かれ、売れずに倉庫に残っている間も保管手数料がかかります。単価の安い商品や、かさばる商品ほど、手数料が利益を圧迫します。
もう一つ、多店舗で売っている場合は在庫が2か所に分かれる点も気になります。FBAに預けた在庫は、楽天やメルカリShopsの注文には使えません。どこに何個あるかを、別々に管理する必要が出てきます。
自己発送の良い点・悪い点は?
自己発送の良い点は、FBAの手数料がかからないことと、在庫を1か所にまとめられることです。筆者は在庫管理システム(GoQシステム)で全店舗の在庫を一元管理しており、自社にある在庫をAmazon・楽天・メルカリShopsのどこで売れても出荷できる状態にしています。在庫を一元管理する方法は在庫の一元管理はこう回すで書いています。
悪い点は、発送する人が必要になることです。手数料の代わりに人件費がかかります。筆者の場合、梱包・発送はアルバイトスタッフにお願いしており、週5〜6日出勤してもらっています。発送をスタッフに任せるときの役割分担はEC発送をアルバイトに任せるにまとめています。
また、Amazonでは自己発送でも出荷の遅れやキャンセルが成績(アカウントの健全性)に影響します。休みの日の出荷をどうするか、決めておく必要があります。
なぜFBAから自己発送に切り替えたのか?
筆者は以前、いろいろな商品をFBAに入れていました。今は主力商品をすべて自己発送にしており、FBAは1商品だけ自己発送と併用しています。
切り替えた理由の一つは、配送会社との契約です。筆者は日本郵便と契約しており、年間の発送数の条件(ノルマ)があります。FBAに出荷を任せると、その分だけ自社から出す荷物が減ってしまいます。配送会社と契約して送料を下げている場合、FBAに移すほど自社の発送数が減り、契約条件に響くことがある点は、意外と見落としやすいところです。
加えて、今の体制では自己発送の方が合っていると感じる点が2つあります。
- 発送をスタッフに任せられる:人件費はかかりますが、発送作業を自分でやる必要はありません。
- 在庫を1か所にまとめられる:4店舗で同じ商品を売っているため、すべての店舗の注文を同じ在庫から出せる方が管理しやすくなります。
自己発送の配送方法はどう選んでいる?
筆者の自己発送は、ほとんどが日本郵便です。日本郵便と契約しているため、まとめて同じ方法で出せる方が作業も料金も管理しやすくなります。
ただし、一部の商品はどうしてもネコポスで送る必要があるため、その商品だけ別の方法で出しています。商品の厚さやサイズによって、安く送れる方法が変わるためです。すべてを1つの配送方法に統一しようとせず、「基本は1社、例外だけ別」と決めておくと、スタッフも迷わずに済みます。
FBAと自己発送、どう使い分ければいい?
筆者の経験から、使い分けの目安をまとめます。
| 状況 | 向いている方法 |
|---|---|
| 一人で運営していて、発送に時間を取られたくない | FBA |
| 小さくて軽く、よく売れる商品 | FBA(手数料が抑えやすい) |
| Amazon以外のモールでも同じ商品を売っている | 自己発送(在庫を1か所にまとめられる) |
| 発送を任せられるスタッフがいる、または配送会社と契約している | 自己発送 |
| 大きい・重い・売れるまで時間がかかる商品 | 自己発送(保管手数料がかさみやすい) |
どちらか一方に決める必要はありません。筆者のように、基本は自己発送にして、相性の良い商品だけFBAを併用する形もあります。
よくある質問
Q. 個人でAmazon出品を始めるなら、FBAと自己発送のどちらがいいですか?
A. 発送の時間を取れないなら、まずFBAで始める方が楽です。ただし手数料を引いた利益を計算してから仕入れることが前提です。Amazon出品の利益の考え方はAmazon出品は個人でも儲かる?で書いています。
Q. 同じ商品でFBAと自己発送を併用できますか?
A. できます。筆者も1商品だけ併用しています。ただし、在庫が2か所に分かれるため、どちらの在庫を基準に発注するかを決めておく必要があります。筆者は自社にある自己発送分の在庫だけで発注を判断しています。
Q. 発送を外部の倉庫に任せる方法はありますか?
A. あります。Amazon以外の注文もまとめて発送してくれる物流代行(発送代行)サービスです。FBAと違い、楽天や自社ECの注文にも対応できます。費用の内訳と選び方は発送代行の費用と選び方にまとめています。
まとめ:手数料と人件費、どちらを払うかで決める
- FBAは手数料を払って発送の手間をなくす仕組み、自己発送は人件費をかけて手数料を払わない仕組み
- FBAの良い点は何もしなくても発送されること、悪い点は手数料と在庫が分かれること
- 自己発送の良い点は手数料がかからず在庫を1か所にまとめられること、悪い点は人が必要なこと
- 配送会社と契約している場合は、年間の発送数の条件も判断材料になる
- どちらか一方に決めず、商品ごとに使い分けてもよい
発送の手間を減らしたいけれど、Amazon以外の店舗もあってFBAだけでは足りない場合は、発送代行の倉庫をまとめて比較できる一括.jp(物流倉庫の一括見積もり)
で、費用の相場を確かめてみるのも一つの方法です。自社で発送するか外に任せるかの判断基準は発送を外注すべきか、自社でやるべきかで詳しく書いています。

