一元管理ツールを導入すると、それまで使っていたAmazon専用ツールは不要になるのか。多店舗展開を検討している方から見て、気になる点だと思います。
弊社の答えは「不要にならなかった」です。GoQSystemを導入した現在も、Amazon運営で長く使ってきたプライスターを併用しています。
Amazon・楽天市場・メルカリShops・自社ECの4店舗を運営している立場から、2つのツールをどう使い分けているかを書きます。
結論:役割を完全に分けている
先に結論から書きます。弊社の切り分けは以下のとおりです。
| ツール | 担当する業務 |
|---|---|
| GoQSystem | 在庫(入荷登録・在庫反映・各モールへの配信) |
| プライスター | 価格改定、商品の目視確認 |
重要なのは、在庫はGoQだけが触るという点です。プライスターにも在庫管理機能はありますが、弊社では使っていません。
なぜ在庫を分けなければならないのか
両方のツールで在庫を動かすと、確実に競合します。
GoQが「在庫5」と配信した直後に、プライスターが「在庫3」で上書きする。あるいはその逆が起きる。どちらが正しいのか分からなくなり、在庫の正しい値が失われます。
これは以前の記事でも書いた「在庫の正を1か所に決める」という原則の話です。ツールが2つある場合、どちらが在庫の司令塔かを決めておかないと事故が起きます。
弊社の場合、司令塔はGoQです。商品が入荷したら、まずGoQに登録する。そこから各モールへ在庫が配信される。プライスター側は在庫に一切関与しない。この線引きを守っています。
それでもプライスターを使い続ける理由
在庫を使わないなら解約すればいい、という判断もありえます。それでも継続しているのは、2つの理由があります。
理由1:価格改定
プライスターは元々Amazonの価格改定ツールとして定評があります。Amazon単独の運用においては非常に優秀で、この機能のために使い続けている面があります。
一元管理ツールは複数モールを扱う設計なので、特定モールに特化した機能では専用ツールに分がある場合があります。価格改定はその典型です。
理由2:商品画像が表示される
こちらのほうが実務上は大きいかもしれません。
プライスターの管理画面では、登録している商品の画像が表示されます。そのため、目視で商品を確認しやすいのです。
一方、GoQの在庫管理画面では、画像が表示される商品と表示されない商品があります。理由は分かっていませんが、実際にそうなっています。
画像が出ないと、商品名のテキストだけで判断することになります。似た商品名が並ぶ場合、これが地味に効きます。色違い、サイズ違い、セット品と単品。テキストだけでは見分けにくく、確認に時間がかかります。
画像があれば一瞬で判別できるものが、テキストだけだと読み込む必要がある。1件なら数秒の差ですが、日常的に繰り返す作業なので無視できません。
ツールの併用は「無駄」なのか
コストだけを見れば、ツールを2つ契約するのは非効率に見えます。実際、統合できるならしたほうがいいという考え方も理解できます。
ただ、弊社は作業効率で回収できているなら併用は妥当だと考えています。
判断基準はシンプルで、そのツールを解約したときに増える作業時間を見積もることです。時給換算して月額料金を上回るなら、続けたほうが合理的です。
逆に「昔から使っているから」というだけの理由なら、見直したほうがいい。弊社の場合は価格改定と目視確認という明確な用途があるため、継続しています。
これから多店舗展開する人へ
すでにAmazon専用ツールを使っている状態から多店舗に進む場合、押さえておくべき点を整理します。
- 在庫の司令塔を1つに決める。複数ツールが在庫を触る状態は必ず事故ります
- 専用ツールをすぐ解約しない。特化機能で残る価値があるかを、実際に運用してから判断してください
- 機能の重複と役割の重複は別物。同じ機能があっても、使うのは片方だけと決めれば併用できます
- 判断基準は作業時間。解約したときに増える手間を時給換算して比較します
一元管理ツールを入れれば全部解決する、という話ではありません。何をどちらに任せるかを設計することが、実際の運用では重要になります。
なお、GoQSystemの料金プランは公式サイトの料金ページで確認できます。プランや価格は変更される可能性があるため、検討する際は公式の最新情報をご確認ください。
在庫の一元管理そのものの運用については在庫の一元管理はこう回す|GoQで3モールを運用する実務と失敗談で詳しく書いています。

