Amazonで販売していて、次は楽天市場にも出したい。そう考えたとき、まず知っておくべきなのは出店申込から実際に販売を開始するまでの期間です。
弊社の場合、申込から販売開始まで約2ヶ月かかりました。Amazonの感覚で「申し込めばすぐ売れる」と考えていると、計画が狂います。
Amazon・楽天市場・メルカリShops・自社ECの4店舗を運営している立場から、楽天出店で実際に時間がかかった箇所と、事前に準備しておくべきことを書きます。
なぜ2ヶ月かかるのか
楽天出店には、Amazonにはない工程が2つあります。
- 出店審査(会社・事業内容の審査)
- ストアページ審査(店舗ページそのものの審査)
Amazonは出品用アカウントを作れば、既存カタログに相乗りしてすぐ販売できます。楽天は「店舗を構える」形式なので、店舗として成立しているかを見られます。
弊社が最も時間を取られたのは、2つ目のストアページ審査でした。正確には、審査そのものというより審査に出すページを作る作業です。
時間がかかった最大の理由:ストアページ制作
正直に書くと、ここは自分のミスで長引かせました。
弊社はストアデザインを外注しました。コストを抑えたかったため低単価で依頼したのですが、相手の作業が遅く、待ち時間が発生し続けました。
デザインが上がってこなければ、審査に出せません。審査に出せなければ、開店できません。売上ゼロのまま月日が過ぎていきます。
後から振り返れば、出店を決めた時点で外注先を探し始めるべきでした。申込をしてから探し始めたため、その分がまるまる遅延になりました。動きの速い制作者に当たっていれば、1ヶ月程度で開店できたはずです。
今から出店するなら
これは弊社が試していないので推測になりますが、現在ならAIを使ってデザインや文章を作る選択肢があります。
当時は外注か自作かの二択でしたが、今はたたき台をAIで作り、細部を自分で詰めるという進め方ができるはずです。少なくとも「制作者の返信を待つだけの時間」は削減できます。
ただし実際にやっていないため、品質面での評価はできません。外注する場合も含め、出店を決めた瞬間から制作の準備を始めるという点だけは変わらないと考えています。
RMSで設定した項目
審査に向けて、RMS(楽天の管理システム)で設定する項目は多岐にわたります。覚えている範囲で、特に時間がかかったものを挙げます。
配送方法・送料設定
基本情報設定の中にある項目です。ここが想像以上に複雑でした。
設定は大きく2層に分かれています。
| 階層 | 設定項目 |
|---|---|
| 店舗全体設定 | 配送方法・送料設定、最短お届け可能日設定 |
| 商品単位設定 | 商品別配送設定、地域別個別送料設定、海外配送設定 |
店舗全体のルールを決めたうえで、商品ごとに例外を設定していく構造です。Amazonの配送設定に慣れていると、この階層構造の把握だけで時間を使います。
店舗・企業詳細情報
会社情報、特定商取引法に基づく表記などを登録します。法人の情報を正確に入力する必要があるため、登記事項証明書などを手元に用意しておくとスムーズです。
その他の設定項目
基本情報設定の「その他設定」だけでも、以下のような項目があります。
- 店舗ステータス変更
- ショップからの重要なお知らせ(サイト表示用・メール用の2種類)
- 会社概要ページ
- キャンセル・返品について
- 注文フォームカスタマイズ
- 休業・対応時間の設定
- 楽天ペイ用決済方法
- 消費税計算方法
- ラッピング・のし
一つひとつは難しくありませんが、量が多い。ここを軽く見積もると計画が狂います。
救いのある話:担当者がサポートしてくれる
ここまで大変な話ばかり書きましたが、安心材料もあります。
楽天では、審査申請を提出する前に担当者がサポートしてくれます。不備がある箇所を事前に指摘してもらえるため、指摘された部分を修正して提出する形になります。
弊社の場合、この流れで進めたため差し戻しは一度もありませんでした。
「審査に落ちたらどうしよう」と身構える必要はありません。担当者の指摘に沿って直せば通ります。むしろ、指摘を受けられる機会を活用したほうが早く進みます。
料金プランはどう選んだか
弊社は開店当初から現在まで、がんばれ!プランを継続しています。
理由は単純で、売上の主力がAmazonだからです。楽天の売上規模に対して、上位プランの固定費を払うメリットが現時点ではありません。
プランは売上が伸びてから変更すればよいものです。出店時点で上位プランを選ぶ必要はありません。最小構成で始めて、実績を見てから判断するほうが安全です。
特に、Amazonなど別チャネルが主力で「楽天は販路の追加」という位置づけなら、最初から大きく張る理由はないと考えています。
まとめ:楽天出店を検討している人へ
4店舗を運営してきた立場から、これから楽天に出店する方に伝えたいことを整理します。
- 販売開始まで2ヶ月を見込む。Amazonの感覚で計画すると必ず遅れます
- ストアページ制作の準備は、出店を決めた時点で始める。ここがボトルネックになります
- 外注する場合は納期を約束できる相手を選ぶ。低単価を優先して待たされると、機会損失のほうが大きくなります
- 設定項目の量を甘く見ない。特に配送方法・送料設定は階層構造の理解に時間がかかります
- 審査は担当者のサポートを受けられる。身構える必要はありません
- プランは最小構成から。売上が伸びてから見直せば十分です
時間はかかりますが、一度開店してしまえば運用は回ります。準備期間を正しく見積もることが、最も重要な準備だと考えています。
なお、複数モールを運営する場合は在庫の一元管理が必須になります。その具体的な運用方法は在庫の一元管理はこう回す|GoQで3モールを運用する実務と失敗談で書いています。

